先月19日、いつもお世話になっている病院の獣医師から相談の電話がありました。
私がアスリちゃんのワクチン接種を済ませ帰宅後、多頭の主Mさんが調子の悪い猫さんを連れて病院に来たそうなのですが、検査の結果腎不全である事が分かり、毎日点滴に通うのは難しく入院をさせる事となったとの事なのですが、診察室でパニックになり暴れてしまい、入院して治療は不可能と判断したとの事。
獣医師からの相談と言うのは、Mさん宅へ通い点滴をしてくれないだろうか、と言う相談でした。
私が通うのは問題ないのですが、その度に天井裏などに逃げてしまうので、それを毎回捕まえてと言うのは…。
結局一週間後の検査の日まで、うちでお預かりし毎日点滴をする事に。
スリスリの超甘えんぼ
腰骨が浮き出るほどやせていました。
黒集団にクンクンされまくり
最初の数日はオモチャにも反応していたのですが…
Mさん宅へ術後リリースした成猫は8頭、うち残念ながら夏に1頭が熱中症で亡くなっています。
シャム系の子とだけ聞いてMさん宅へお迎えに行きました。
キャリーに入っていたのは、一番Mさんになついているシャムニさんでしたが、かなり痩せてしまっていました。
私がMさん宅へフードの差し入れなどで伺うと、猫達はみんな隠れてしまうので、確認が出来ていませんでしたが、6月末の避妊手術から僅か数ヵ月の間に1kg近くも痩せてしまったんですね。
この日の体重2.5kg、BUN120、クレアチニン5.9、リンは15オーバーで測定不能。
シャムニさんは白血病キャリアで、まだ1歳半くらいです。
避妊手術時に、腎臓の数値が少し高いですねと言われていましたが、あっと言う間に入院レベルにまで進行してしまいました。
点滴の効果に期待して、一週間後Mさんと共にシャムニさんを連れて病院へ。
検査の結果は、期待していたほどは下がってはおらず、BUNが100に下がったくらいで、クレアチニンとリンは横這い状態。
点滴の他にお薬もプラスしましょうとの事で、セミントラと言うお薬を出して頂き、また一週間後検査をする事になりました。
今月3日、三度目の検査でもやはり変わらず数値が高いままでした。
こんな数値でも、シャムニさんはチビ達に負けないくらい食欲はあったのですが、一日に必ず一回は嘔吐をしていました。
体重も少し増えて喜んでいたのですが、また減ってしまいました。
何とか体重を維持するためにも吐き気止めを出して頂きましたが、こんどは食欲がなくなり、一日に数回吐く様になってしまい、元気もなくなりじっと目を閉じて大人しくしている時間が増えてしまいました。
腎不全も末期との診断です。
若いだけに進行が早いのか、白血病が加速させているのか…。
薬も吐き気止めも効かなければ、どんどん痩せてしまいます。
してあげられる事は点滴だけ…。
シャムニさんは、同じ多頭から保護した白血病キャリアの子猫達と同じ部屋で過ごしていますが、子猫達が元気過ぎてキャリアである事なんて忘れていたところ、シャムニさんの預かりで、子猫達の近い将来を見せられている様な、何とも言えず考えたくない現実を突きつけられた思いでおります。
Mさんは、優しい方で具合の悪い猫さんは病院へ連れて行って診てもらいたいと思う方です。
避妊や去勢はあまり積極的にお考え下さらなかったのですが…。
ですが、病院さんも慈善事業ではないので、Mさんの思いを全て汲んであげる事は出来ないでしょう。
Mさん宅にリリースした残り6頭が具合が悪くなる度に、病院さんやMさんから私に相談が来るのかと思うと、考えてしまいますね…。
一度関わって完了した現場、再度相談されてしまう事は多々あります。
その度に、自分が抱える保護猫達の事や外猫達の事が後回しになってしまいます。
相談者は皆、自分の猫が一番可哀想だから何とかして欲しいと訴えます。
看取ると言う事は、何度経験しても決して慣れる事はないですし、辛いものです。
シャムニさんの残された時間をどの様に過ごさせる事が良いのか…。
シャムニさんに愛情をかけてきた飼い主であるMさんと過ごす事が一番良い様な気がしますが、あの不衛生な環境では…と戸惑ってしまいます。
いくら掃除をしても、長年染み付いた生活習慣を変えない限り、すぐにまた散らかってしまいます。
先日伺った時には、この時期にしてハエがブンブン飛んでました…。
Mさんご自身も腎臓を患っており、週に4日病院巡りで帰宅後は何もしたくないほど疲れてしまうとか。
僅かな年金の中から、飼い猫の治療費を捻出する事も、お世話をする事もかなり難しいと思います。
今後の事は、シャムニさんの体調を見ながら、判断したいと思います。
三段ケージから一段ケージに移しました。
常に瞬膜が出ています。
循環が悪く、輸液が片足に溜まって抜けにくいです。
避妊時のシャムニさん
夏に亡くなった淡い茶トラくん。
前日までご飯も食べて元気だったそうです。
どうか安らかに…