近藤さんの現場の猫達、子育て中のお母さん猫が2匹。
この辺りの大元のお母さん猫との情報のある白三毛長毛さんの産み場所の特定が出来て、そのお宅の80代と思われる主には、必ず保護するので今はそっとしておいて欲しいとお願いをしていたにも関わらず、嫌な予感的中。
22日に様子を見に行った時には、産み場所となっていた室外機の下にはトゲトゲ、入れない様に棒が刺してあるのを見て愕然とし、間もなく近藤さんと合流、親子猫の行方が心配で途方に暮れていたところへ、ニコニコしながらそのお宅のクソジジイいや失礼、そのお宅の主が登場。
怒りを抑えて『猫がいませんが、どうしたんですか?』と訊ねると『昨日出て行った』
出て行ったんじゃなくて追い払ったんでしょうが!と心の中で叫び、どう言う状況だったんでしょうか?と聞くと『母猫が一匹をくわえてあっちの方向に行った。残りの子猫は、この辺チョロチョロしてたけど、いつの間にか居なくなった』
子猫は4匹だったらしく、その主は子猫の柄も記憶していた。
事の一部始終をしっかり見ていたらしい。
全頭無事にお母さん猫が次の場所へ移動させる事が出来たか心配。
子猫がニャーニャー鳴いているところをカラスに見つかったら…。
移動場所の特定を急ぎたい。
その日はいつもご飯をガツガツ食べる白三毛長毛母さんには会えず…。
その日の夜、気が重いまま私がお世話している猫達のご飯やりをしている最中、一本の電話が…。
三ヶ所三人の餌やりさんが居て、避妊去勢が完了したT公園の餌やりさんI川さんからでした。
I川さんは、自分が公園でお世話している二匹の猫の避妊去勢をご自身でして下さった方です。
『今ご飯やりに来たら子猫が棄てられてたんだけど…どうしよう』
『どれくらいの大きさですか?』
『まだ目が開いてない…』
目が開いてないと言うフレーズだけが私の頭の中をグルグル。
今までなら、どうやってお迎えに行こうか、車の手配をしなければと考えていたはず。
目が開いてない子猫は育てたことがないし、助けられるか自信がない…不覚にも躊躇してしまった自分がいます。
困り果て、私より何倍も大変な思いをされている近藤さんに相談してしまいました。
近藤さんは『直ぐに連れて来なきゃ、死んじゃう!』と言って下さり近藤さん宅で保護して下さいました。
『助かるかどうかわからないけど、やってみます』と言って下さり、お若いですが猫の子育てベテランの妹さんと、睡眠時間を削ってお世話してくださっています。
今日までは順調にミルクを飲んでくれているとお知らせを頂いております。
産まれて一週間程度の子猫のお世話は、一日一日が勝負で気が抜けず大変なご負担をおかけしてしまいました。
二週間ほど図々しくも育てて頂ければ、その後はうちでと考えております。
今後の事は、近藤さんと相談させて頂きながらと思っております。
今回この公園に遺棄した犯人は、昨年春と秋にも同じ公園の別の餌やりさんの場所にも子猫を遺棄しています。
春の子はYさんと言う餌やりさんが保護、秋の子は近藤さんが保護してくださった経緯があります。
犯人は、餌やりさんの行動パターンを熟知している様です。
餌やりさんが来る時間も知っていて、直前に置いて行った様です。
今回の生後間もない子猫、夜中や早朝の遺棄であれば既に息絶えていたはずです。
犯人は、子猫が保護されたか確認に来るはずなので、I川さんには優しい文章でお手紙を置いてもらうことにしました。
ビクビクしながら後ろめたい気持ちでシーズン毎に遺棄するより避妊手術をお考え頂きたい。
話は近藤さんの現場に戻って…。
移動先の特定のため、翌23日もせぱゆさんと現場へ出向きました。
テラスのお宅へご飯を食べに来る白三毛母さんを待っていたら、新顔キジ白君が現れ間もなく白三毛母さんも現れました。
キジ白君も捕まえて去勢をしたいけど、今は白三毛母さんにご飯を食べさせ、何処に戻って行くかストーカーする事を優先。
そーっとつかづ離れず距離を保ち尾行したら、産み場所近くの物置で止まり、周りをキョロキョロ。
ここは…先日近藤さんが子育て中の黒三毛長毛母さんを尾行して辿り着いた物置。
どちらの子育て場所?ダブル?
普通同じ場所で二匹のお母さん猫が子育てするのはあまりない事なんですが…。
でも、子猫の鳴き声はするので確実に子猫はいると判断。
昨日もせぱゆさんと現場にて、前日見かけた新顔キジ白君と、なかなか捕まらない白三毛短毛さんの捕獲に出向き、せぱゆ見守りの中キジ白君を捕まえる事が出来、当日無理を言って病院さんで去勢手術をして頂き、手術時間が遅かったため家に一泊、朝近藤さんがリリースして下さいました。
キジ白君をせぱゆさんにお願いして病院へ搬送して頂いている間、やっぱり捕まらない白三毛短毛さんを諦め、白三毛母さんの移動場所の様子を見に行ったら、ペットボトルを数十本並べている猫嫌いの奥さんが私を手招き、近づくとけたたましい子猫の鳴き声が!
物置の裏側に片目が目やにで塞がったちっちゃい三毛ちゃん。
思わず抱っこして、その奥さんに事情を聞くと『朝から鳴いてるのよ』えっ!?お母さん猫は?『姿が見えないのよね』
抱っこしたちっちゃい三毛ちゃんは鳴き止んだのに、まだ鳴いてる子猫がいる…。
物置の下で子育てをしていると思っていたので、下をのぞきこんでも真っ暗で何も見えないし、途方にくれ物置に何か棒の様な物でも入ってないか開けてみたところ、けたたましい鳴き声は物置の下ではなく中から、周りを探すと深さ5、60センチの段ボールの中に白黒の子猫が這い上がれずに鳴いていました。
とにかくその段ボールにちっちゃい三毛ちゃんと、ちっちゃい白黒子猫を入れて、物置の中からぞろぞろと他にもちっちゃい子猫が…。
慌てて手当たり次第段ボールに入れて、ふと奥の方を見ると白三毛母さんと目が合った。
居たのーっ!?
ウーもシャーもなく、じっと身を潜めていたけど、この子猫達の状態を見たら直ぐに治療しないと目が癒着してしまうし、鼻が詰まって口呼吸してる子もいる、白三毛母さんも風邪症状があるし、子猫を戻せばまた別の場所へ移動するだろう…近藤さんと相談の上、子猫はそのまま保護する事にしました。
もしかしたら、また子猫が残っているかも知れないので、直ぐにお母さん猫の避妊はせず数日様子を見る事にしました。
遠くで黒三毛長毛母さんもこちらを見ていた…。
お母さん猫が居たのに何故外に出ていた子猫を連れ戻さなかったのか謎です。
そして7匹のちびちゃん達は一旦家へ。
時間をかけてガビガビにくっついた目と鼻を開かせるため、温めた生理食塩水を柔らかいコットンに含ませふやかす様にして拭き取り点眼点鼻、オシッコを出させてミルクを与えました。
一匹だけ鼻の詰まりが酷くミルクがなかなか飲めない子が心配ですが、子育てのベテラン近藤さんが、朝にはお迎えに来て下さいましたから、大丈夫と思います。
決して状態が良いとは言えないお母さん猫から産まれた子猫達、それに拍車をかける様に雨の日が多かった。
ただでさえ過酷な外暮らし、骨身を削っての出産子育て、避妊手術をしない限りどんなに状態が悪くても発情がやってくれば受胎もする。
そんな猫達の現状を見ようともせず、浴びせられる言葉は『どっか駆除するとこないの?』
はぁ?駆除?
『ありません!嫌いなら追い払うのはしかたがない、ですが傷つけたり殺すなんて事は犯罪です、二年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金です!』
ぶちギレそうになる私の横で人間が出来ている近藤さんが、静かに相手を否定せず猫のために頭を下げる…どっちが年上なんだか。
こんな方達とケンカしても猫のためにはならない、冷静になろう…反省。