1月28日大切なたった一つの命が旅立ちました。
その悲しい知らせを聞いたのは、つい数日前です。
28日朝犬の散歩で通りかかった人が、車の下でうつ伏せで大の字になっているロシアンを発見しました。
その人はロシアンをそのままにして散歩を続け、帰りにまたその場所を通った時にロシアンに近寄り、確認すると明らかに様子がおかしく虫の息でぴくぴくしていたそうです。
風が冷たく寒い日だったので、移動させるため抱き上げると意識はあったもののその体はだらりとしていたそうです。
その車の下から数メートル離れた場所に、あまり人が入らない枯れ草が茂っている場所があり、そこに誰かが捨てたテレビ台があり、その中に置いて来たと言うのです。
その人は普段猫にご飯をあげている人です。
勿論、ロシアンにもです。
私がそのスポットの猫達のご飯やりをする前からされていた人なので、ロシアンの事は私より以前から知っています。
それなのに、病院にも自宅にも連れて行かず、私にも誰にも連絡せず、もがき苦しむロシアンを置き去りにしたのです。
ロシアンの死因はハッキリとは分かりませんが、前日の夕方にはいつも通り元気でご飯を食べに来ていた事を考えると、その後車に跳ねられ内臓損傷等で亡くなったのだと思います。
出血もなく外傷もなかったそうですが、骨折はしていたのかも知れません。
28日深夜、別の方が既に息はなく冷たく硬くなったロシアンを発見し、交番に届け翌日荼毘に付されたと言う事です。
まだ息があったロシアンを発見した人と直接話をしましたが、その人は言い訳ばかりで『車の下では寒かろうと思いテレビ台に入れてあげた。その時に指を噛まれて酷いめにあった』誰にも連絡しなかったのは朝早かったので迷惑だと思った…。
全てが言い訳です。
私はその人に憤りや虚しさを感じながらも努めて冷静にお願いをしました。
今後、同じ様な場面に遭遇した場合にはまず管理センターに連絡して下さい。センターが時間外の時には病院に連れて行って下さい。それか私に連絡下さいと。
飼い猫だろうが、飼い主の居ない猫だろうがセンターで応急措置をしてくれますし、通報した方に金銭的負担はかかりませんからと伝えるとその人は『それを知っていればなぁ』とおっしゃいました。
何だかんだ言い訳をしていましたが、ロシアンを置き去りにした理由はお金だったのです。
普段からお気に入りの猫とそうでない猫を分けている人で、その人にとってロシアンはお気に入りではない猫の方に入れられていたのだと思います。
しかし、普段何のために外猫達にご飯をあげているのでしょうか?
命を守りたい!命を繋げたいと思っているからこそ自腹で猫達にご飯をあげているのではないのでしょうか。
正にその場面に遭遇した訳ですから、お金の事等二の次で目の前でもがき苦しむ子を何とかしてあげたい、助けたいと思って当たり前なのではないでしょうか。
お金に余裕がなくても、私や他の方に連絡が出来たはずです。
百歩譲って自宅に連れて帰り、最期を看取ってあげる事は出来たはずです。
既に手の施しようがなかったかも知れませんが、それでも早く楽にしてあげる事は出来たはずです。
ロシアンは少なくとも数時間から十数時間想像を絶する程の痛み苦しみ寒さ孤独をたった独りで受けとめ逝ったのです。
悔しくて悔しくて…。
猫達にはそれぞれ個性があり、どの子も愛しく大好きですが、その中でもロシアンは特に個性的でした。
今日はスリスリベタベタ甘えて膝の上に乗って来たかと思うと、別の日には触ろうとするとヴーッと唸って嫌がったり、とにかく食欲旺盛で他の子が食べている物まで横取りしてしまったり、去勢手術の時に普通の子は恐怖と緊張で病院では食べない子がほとんどですが、ロシアンはしっかり完食し元の場所にリリースした時にも他の子は一目散に走って逃げるのに、ロシアンはその場でご飯の催促をする程でした。
気分屋で食いしん坊で甘えん坊で、初対面の人にも物怖じせず堂々とした性格の子でした。
二度と同じ様なめに遭わせない様、ロシアンが命を犠牲にして私達に教えてくれました。
ロシアンありがとう。
どうか安らかに…